2009年10月7日水曜日

不安はつきぬ…

今度はこんな記事。
…と言われても、親御さんはやっぱり悩みますよね。

それと、地域の小児科医がこうした接種方法をしてくださるかどうか。
プリントアウトして、予めかかりつけ医に相談しておくとよいかもしれません。

卵アレルギー児にもインフルワクチン接種を推奨-都講演会で小児科医

 東京都と独立行政法人環境再生保全機構は10月5日、子どものぜんそくや食物アレルギーの正しい知識と対応法に関する講演会を開き、東京慈恵会医科大附属第三病院小児科の田知本寛医師が自らの診療経験などを基に講演、また参加者の質問に応じた。卵アレルギーを持つ3歳児の親から、鶏卵を使って生産する新型インフルエンザワクチンの接種後の副反応を不安がる声があり、田知本氏はワクチンが少量であることを説明し、「基本的には、ワクチンはすべてやる方向です。卵アレルギーがあっても。だからインフルエンザワクチンもやるべきだと思う」と、接種を推奨した。

 講演会には、アレルギーを持つ子どもの保護者や看護師、保育士など約250人が参加。

 田知本氏は、アトピー性皮膚炎の子どもの入浴について「手で洗えば傷にならない」とし、顔も体もよく泡立てた石鹸を用い、「手でごしごし洗って構わない」と述べるなど、日常生活での対応法や、アレルギー状況を知る上での食物日記の重要性などを解説した。 講演後に行われた質疑応答では、田知本氏が推奨した入浴法について、保育園勤務の女性が「石鹸を使った入浴でよくない場合もあるのか」と質問した。これに対し田知本氏は、「皮膚科のアトピー性皮膚炎の治療ガイドラインでも、洗うことが基本になっている」と指摘。「よくないパターンはあまり考えにくい」と答えた。 また、新型インフルエンザに関する不安の声も参加者から上がり、季節の変わり目にぜんそくの症状がひどくなるという4歳の息子の保護者は、「ぜんそくの子はインフルエンザにかかるととても危険」との報道を挙げ、対処法を尋ねた。 田知本氏は「治療を普段からちゃんとしている子は、悪くなりにくいのではないか」とし、普段から治療をきちんと受ける重要性を強調した。

 別の保護者は、卵などの食物アレルギーを持つ子への、鶏卵を使って製造するワクチンの接種への不安を訴えた。田知本氏はワクチン接種の推奨の方向性を示した上で、副反応に備えワクチンを分割して接種する方法を紹介。それによると、一回0.2ccを2回接種する場合は、まず0.05ccを1回打ち、腫れてこなければ残量を打つ。それで大丈夫なら、2回目接種では一回で0.2㏄を打つ。

 また、副反応が不安なので接種回数は「2回となっているが、1回でもいいのか」という質問には、「ブースター効果といって、抗体をたくさん作らせるためなので、規定された量(2回)は打った方がよい」と述べた。

大型台風接近中

<台風18号>東海地方「伊勢湾台風と同じコース」に警戒感  http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091007-00000060-mai-soci


 台風18号は、8日明け方から昼前にかけて東海地方に最接近する可能性が高まった。名古屋地方気象台は7日午前、愛知県庁で説明会を開き「1959年の伊勢湾台風とほぼ同じコースで東海地方にとって最悪のコースとなる恐れが高まった」と指摘。風についても「過去10年で最大になる恐れがある」と7日中に対策を済ませるよう呼び掛けた。

********
 残念ながら半端なく規模が大きく、直撃になりそうですね。地域によっては、年間雨量の半分(600ミリ+300ミリ等)ほどが降るのではと予想されています。

 とはいえ、突然の集中豪雨ではなく台風ということで予測が可能ですから、早め早めの行動を心がけてください。

<危険回避のための避難>

  • 土砂災害の可能性がある家では、台風が来る前に安全な場所に避難を。
  • 河川が決壊する危険性のある場所に家がある場合には、台風が来る前に安全な場所に避難を。(一戸建てでも流される場合があります)
  • 水(雨水が50ミリ/時間を超えると一時的に流れていかなくなったり川や水路から水が溢れる)による水害が心配される場合には、2階がある場合には2階、あるいはそれ以上の高台に移動するといった避難方法もご検討ください。
<避難の注意点>

  • 夜間・道路冠水後・台風ピーク時の避難は、非常に危険です。避難が必要な場合には、できるだけそうした状態になる前に避難を済ませましょう(避難所までの行程や、田畑を見に行って被害に合うことが多くみられます)。
  • 冠水時、どうしても外に出る場合には、マンホールがはずれているといったことが考えられますので、傘などで足元を確認しながら、ゆっくり進みましょう。なお、靴は長靴ではなく短靴にしましょう。ちなみに、子どもは30センチの深さでも、歩くのが困難です。大人でも、水がひざ上にまでくるとなんとか歩けるものの、思わずバランスを崩したり危ない場合があるので注意が必要です(風や流れがあれば、ここまでの水深でなくても危険です)。
  • 何が何でも避難所へ、ということはありません。避難経路が低地になっていたり、川が溢れていることがありますのでその場合には、近くの頑丈な建物の高い階に避難するといったこともお考えください。
  • 残念ながら、市区町村から避難勧告や指示が適切に出るとは限りません。避難勧告を出すタイミングというのはとても難しく、矢継ぎ早に情報が入ってきて、対応できない場合もあります(もちろん精一杯ご努力なさっていると承知しておりますが…)。基本は、浸水・土砂災害の危険がある地域では、避難勧告が出なくても、自主避難が求められます。
    また、急な河川の増水があったり、地元ならではの土砂災害の前兆を感知するといったことも考えられるので、情報に頼りすぎないようにしておくことも重要です。
<その他>

  • 風が弱くなっていても、雨が降っていたら川が氾濫する危険があります。
  • 雨がやんでも、土砂災害の危険があります。
  • 都市部の浸水が心配される地域では、できるだけ地下を避けるようにしましょう。
  • 自家用車は、ガード下などの水溜りに入り死者が出る例も目立ちます。マフラーから浸水したらエンジンが切れパワーウインドウも開かなくなります。窓ガラスを割る道具を車に積んでおいたり、できるだけ車での移動は避けたほうがよいでしょう。
  • 地下室は、30センチの深さでドアが開かなくなります。
  • 浸水が考えられるようであれば、予め土のうの準備、飛ぶ可能性があるものを固定する、雨水ますに枯れ葉がたまっていないか等、確認しておきましょう。
 天気情報は常に最新のものを入手する必要がありますが、雨が突然強くなることもあります。とにかく、今回は大型台風ということに留意して、早め早めにご対処ください。 (できれば、どんな立地に家があるか、市区町村で発行している「ハザードマップ」や都道府県で確認できる「土砂災害危険箇所マップ」といったもので調べて自分の危険度をチェックしておいてください。「防災マップ」に避難所とともに掲載しているところもあります)

2009年10月5日月曜日

10mlバイアルへの不安

一番安全なワクチン予防接種は、一人ずつパックされた注射器に充填されたワクチンを、一人ずつに接種していくこと。今回、妊婦さんへの接種に対してはこうしたワクチンが使われることになりそうですが、それ以外は、もしかすると、10mLバイアル(小瓶)という容器に入ったワクチンが使われることがほぼ確実になってきました。

ふつう、インフルエンザワクチンは 0.5 mL を皮下注射します。1つのバイアルで、理論上は20人接種できることになります。小児では、もう少し量が少なくなるので、もっと多い人数に接種が可能になります。

医師が接種をする作業までを追ってみると、少なくとも

  • バイアルを手で開ける
  • 注射器の袋を開ける
  • 容器の栓およびその周囲をアルコールで消毒
  • バイアルに注射器を刺す
  • 所要量を注射器内に吸引空気
  • 接種
といった流れになります。もちろん、感染症が心配されますから、注射針および注射筒は、被接種者ごとに取り換える必要等がありますし、一人に接種したのち、次の接種者までに時間が空けば、そのバイアルは冷蔵庫で適切に保存される必要があります(余ったらその日のうちに廃棄)。

これを、1バイアルで20回(20人)繰り返すことを想像するだけで、思わず目の前がくらくらしてしまうほどの大変な状態です。

森澤雄司 自治医科大学附属病院・感染制御部長は、ヒューマンエラー等がゼロになるとは言い切れず、また雑菌の混入・繁殖等も心配されことから、「今回のワクチンは数千万人に接種するという話であり、エラーが生じる可能性は数万回に 1 回であっても許容しづらい」とし、「執拗いがそのような事態に陥っているのが残念至極」とし、「現実的な医療安全の考え方で言えば、次に考えられる対策は、被接種者が当事者意識をもって関与してもらうことであり、内心忸怩たるものがあるが、「その針は清潔で安全ですか?」と接種を受ける際に本人から確認していただく必要があるかもしれない」と指摘されています。

新型インフルエンザワクチンに思うこと -10 mL-バイアルなんてウソでしょ~!- 
 森澤雄司 自治医科大学附属病院・感染制御部長/MRIC by 医療ガバナンス学会

診療所で新型インフルのワクチンが接種されることになれば、さまざまな患者のなかにワクチン接種者がいるわけなので、より煩雑になることから、一層リスクが高まります。
森澤先生は、さらに「ちなみに新型インフルエンザワクチン接種は保健所や保健センターだけでなく、一般医療機関でも実施される方針である。そのような場合に 10-mL バイアルが使用されるようであれば、予約した方々には必ず時間を守っていただきたい。予定の人数が揃わないためにバイアルの中の残液が廃棄されるような事態になれば、数を揃えるための苦肉の策である 10-mL バイアルが本末転倒に足を引っ張る理由にもなりかねない」と述べられています。