2009年11月27日金曜日

新型インフルの副反応について

○厚生労働省/新型インフルエンザワクチンに関する安全性評価について
 http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/11/s1121-2.html

ワクチン接種について

基礎疾患をもつ高齢者の方にワクチン接種することに対して、少々注意をうながす記事が出ていますので、ご紹介です。

基礎疾患ある高齢者に留意を―新型ワクチンで厚労省検討会
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091121-00000001-cbn-soci

 新型インフルエンザワクチンの安全性の評価について、厚生労働省は11月21日、「第4回薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会」と「第1回新型インフルエンザ予防接種後副反応検討会」を合同開催した。会合では、議論を受けて「重度の基礎疾患を有する患者では、接種時および接種後の処置などに留意する必要がある」などとする取りまとめ文書「新型インフルエンザワクチンに関する安全性評価について」を了承。この文書は、長妻昭厚労相に報告される。

 副反応検討会は、予防接種や内科分野の専門家らで構成され、この日は東京都健康長寿医療センターの稲松孝思・感染症科部長ら委員3人が参加。また、安全対策調査会は独協医科大の松本和則特任教授ら委員4人が出席し、内科や小児科の専門家8人を参考人として招いた。

 この日の会合では厚労省側が、新型インフルエンザワクチンの接種後に死亡した21人はいずれも50歳以上の基礎疾患を有する人とするデータを提示。主治医は基礎疾患の悪化や再発が主な死因として、ワクチン接種と死亡の関連について「関連なし」「評価不能」などと報告していると説明した。

 厚労省に協力して死亡例の評価を行った副反応検討会の稲松委員は、基礎疾患の中でも特に間質性肺炎、ぜんそくには注意が必要との見方を示した。安全対策調査会の工藤宏一郎参考人(国立国際医療センター国際疾病センター長)は、「80-90歳の基礎疾患のある人に打っていることが気になる。打つべきではない、と言うわけではないが、米国で高齢者には基礎免疫があるとの報告があり、日本の患者は若年層に多い。にもかかわらず、強迫的にワクチンを打たなければならないという雰囲気がある」と述べた。

 これに対し、安全対策調査会の河野茂参考人(長崎大医学部内科学第二教室教授)は、「季節性インフルエンザに多くかかるのは子供だが、死亡するのは高齢者で、新型インフルエンザでも同じ。ワクチン接種の目的はもともと、感染予防より重症化予防。それを忘れてはいけない」と指摘。「接種と死亡の関係は検証すべきだが、死者が出たからとリスクがある人の接種を制限するのはまずい。ワクチンが一番必要な人は誰か、精査すべきだ」と主張した。

 一方、安全対策調査会の久保惠嗣参考人(信州大副学長)は、在宅療法中の人が感染する可能性は低いと指摘し、「優先して打つ必要があるのか」と述べた。副反応検討会の岡部信彦委員(国立感染症研究所感染症情報センター長)は、「優先接種順位は、優先的に接種できるということであって、接種すべきということではないだろう」とした。 こうした議論を踏まえ、事務局が「新型インフルエンザワクチンに関する安全性評価について」とする取りまとめ案を作成、一部修正の上了承した。

 この中で死亡例について、「限られた情報では因果関係が評価できないものもあるが、大部分は基礎疾患の悪化や再発の可能性が高いと考えられ、死亡とワクチン接種との明確な関連が認められた症例は現時点ではない」とした上で、「ワクチン自体に安全性上の明確な問題があるとは考えにくい」と結論付けた。しかし、重度の基礎疾患を有する人については、ワクチンの副反応が重篤な転帰につながる可能性を否定できないため、「接種時および接種後の処置などにおいて留意する必要がある」とした。また、日常生活が極度に制限される程度の障害を心臓、腎臓または呼吸器に有する人の接種に当たっては、接種の適宜を慎重に判断するよう医師に求める方針を示した。

 接種のメリットについては、基礎疾患を有する高齢者が感染した場合には重篤化する可能性が高いため、「リスクと比較して、相対的に接種のメリットは大きいと考えられる」としている。