2009年9月29日火曜日

医療従事者の、医療従事者による、国民のための新型インフルエンザ対策

MRIC by 医療ガバナンス学会から。
森兼啓太 東北大学大学院医学系研究科 感染制御・検査診断学分野 講師
 http://medg.jp/mt/2009/09/-vol-265.html

この中にも書いてありますが、WHOではなぜ日本は致死率が低いのか、また小さな流行がみられたとき(神戸・大阪等)、なぜ感染が抑えられたのかがよく議論になっていると聞いています。

致死率が低い理由としては、医療機関へのアクセスがよく、すぐに治療してもらえる、そしてこれまでの季節性インフルエンザでも、タミフルやりレンザを多く使用してきたこと、そして学校で見られるような集団の手洗いの習慣等が挙げられます。

よく、災害時には「ふだんしていることしかできない」と言われますけど、もしかすると幸運にも、日本はインフルエンザ対応に最も適応してきた国と言ってよいのかもしれませんね。

と、考えてみると「発熱外来」は、誰にとっても「ふだんしてきたこと」ではありません。
現在、厚生労働省は一度診察した等の条件付ながらファックスで、「タミフル投与」をするといった処方をしてもよい、としていますが、これも「ふだんしてきたこと」ではありません。

イギリスでは、フル・フレンドといって、電話でインフルかどうかを判断(医師ではない人が行う)をし、予め決められたその患者の友達が薬を受け取りに行って届ける(接触せずにポストに入れる)といったシステムが導入されています。
しかし、発熱=インフルエンザではないですし、これにとらわれていると大きな疾患を見落とすことが心配されています。たくさんの病気がありますもんね。

実際、イギリスのフル・フレンド制度でも、日本で行われた5,6月に行われた発熱外来でもそうしたケースが指摘されていました。
よって、ふだんの診療の延長で自治体と医師会がタッグを組んで頑張る「仙台方式」が全国でもっとも注目されました(自分の子どもが熱を出したとしても、発熱外来には行きにくいですもんね)。

新型インフルエンザ対策・診療も、できるだけ、ふだんしていることの延長でとらえるべきでしょうし、そうするために、行政は地域の医療機関を精一杯(財政面も含めて)フォローしていただきたいところです。

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