2009年11月7日土曜日

小児新型インフルエンザ重症例の動向

日本小児科学会から。
年齢が低い幼児の脳症の発症の増加は、全体的に新型インフルエンザにかかる年齢層が低くなってきているので、そうしたことも一因かもしれません。

小児新型インフルエンザ重症例の動向(11 月5 日新型インフルエンザ対策室第5 報)
 http://www.jpeds.or.jp/influenza/influenza_091105.pdf
(以下、一部抜粋)
インフルエンザ脳症についてはこの数週間、症例の報告が増加しています。また、心配していたように2 歳~5 歳の幼児の発症が報告されるようになりました。今後も脳症の発症年齢の低下が起きるものと予想されます。一方、前回同様、初発神経症状として「異常な言動」や「意識障害」から始まる症例が目立っています。注意すべき点として、静岡こども病院の救命救急センター植田先生からの報告で、けいれん・呼吸障害を来たし、急激な悪化を示す症例の中で、hypovolemia による急激なショック状態が背景にある貴重な症例の提示がありました。「脳症」の症状を示し、急激な悪化を見る例の中には、この「hypovolemic shock」の観点から治療にあたる必要性も考慮すべきと思われます。次に脳症と同時にウイルス性肺炎が起きていないかどうか、届出施設に対するアンケート調査を行いました。回答いただいた27 例の中で、脳症と同時に肺炎が起きていた症例が10例(37%)と高率にみとめられました。これは季節性の脳症ではほとんど認められなかった特徴です。ただし、現時点ではステロイドパルスが肺炎の重篤化に繋がったケースは認められていません。今後、もしそうした症例を経験された先生は、ぜひご報告いただければ幸いです。

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